貯蓄性のある保険には入るな!?予定利率や標準利率の仕組み

生命保険の保険料が値上げされました。2013年4月からです。

生命保険の保険料を決める基準の一つが、「予定利率」です。予定利率というのは「預かった保険料を運用したらこれぐらいは儲かるだろうから、その分保険料を割り引きしておきますよ」というものです。

本当は15,000円必要な保険でも、実際に支払うのは14,000円だけで、残りの1,000円は保険会社が運用して増やしてくれる、というイメージです。

この予定利率を決める基準となるのが、金融庁が決めている「標準利率」です。ここ12年間はずっと1.5%の標準利率だったのですが、この春に12年ぶりに改正されました。

標準利率が下がってので、保険会社の予定利率も下げなければ、保険会社が儲からなくなってしまいます。銀行の預金利率と同じような感覚で考えれば分かりやすいと思います。

100万円預けたとき、利率が0.5%なら5千円の利息がつきますが、利率が0.1%になってしまえば千円しかつきませんよね。それと同じように予定利率が下がれば、割引できる保険料も少なくなってしまいます。つまり、値上げせざるを得ない、ということです。

そこで2012年度中は「今がチャンスですよ」と言わんばかりに保険の外交員の方たちも必死に保険を売っていたようです。お客の方でも、年度が明けたら保険料が上がってしまう、ということで早めの決断をした、という人が多いでしょう。

ただ、実際にはすべての商品が値上がりしたわけではありません。定期保険や医療保険のような「掛け捨て」の保険の場合は保険料が据置になっているものも多いんです。ではんいが値上がりしたのかというと、「貯蓄性のある保険」です。つまり、終身保険や養老保険、学資保険、年金保険などです。

こうした貯蓄性のある保険は金額も大きいですし、保険料を値上げしないと難しい、ということになりますね。掛け捨ての保険なら保険料の金額も小さいから耐えられる、ということです。

でも実は、それだけが理由ではないようです。もともと貯蓄性の高い商品というのは、保険会社にとっては儲けの少ない保険です。

保険期間中に死亡しようがしまいが、どちらにせよ保険金は支払わなくてはなりません。保険会社の儲けとしては、保険に関わる経費である「付加保険料」と、運用によって予定よりも儲かった分の一部です。(予定より儲かった分の一部が契約者に還元されています)

一方掛け捨ての商品であれば、なにもなければ保険金を支払うことはありません。

保険料の設定には「これぐらいの割合で死ぬ」という統計をもとにした「予定死亡率」が使われていますが、確実に支払えるように、予定死亡率は高めに設定しています。すると、予定より死ぬ人が少なければそれだけ保険会社は儲かりますね。

そういうわけで、保険会社にとって儲けの多い掛け捨ての保険は保険料の値上げをせずに「安いからこれからもどんどん加入してくださいね」ということになるのです。一方儲けの少ない貯蓄性のある保険は値上げして、「高いけど良かったらどうぞ」という程度の売り方をしているということになります。

4月以降、生命保険の保険料は値上がりしたので貯蓄性のある保険に入るメリットは薄い、と言われるのはそのためなんですね。

ただ、貯蓄性のある保険のメリットが消えたのは、今年の4月からではありません。それ以前からも、標準利率は1.5%と決して高いものではなく、バブルのころと比べると大幅に下がっています。つまり、もともと、貯蓄性のある保険に入るメリットは薄かった、ということです。

昔の保険なら、支払った保険料の倍以上の保険金が返ってくるのが普通でしたが、数年前に加入した保険でもそんな夢のような話はありませんよね。

銀行などに貯蓄するのと変わらないか、ちょっといいか、ぐらいのものでした。だから、急にメリットがなくなった、というのは少し違うのではないでしょうか。

そもそも、保険を使って貯蓄するメリットというのは、利率が良いということではありません。毎月保険料として強制的に引かれるので放っておいてもお金が貯まります。

解約すると損になるので少しぐらい家計が苦しくてもがんばって貯蓄が続けられます。また「学資保険」や「年金保険」の場合は目的を明確にして貯めることができます。他の貯蓄とごっちゃになることがありません。

そうしたメリットも踏まえて、貯蓄方法を考える必要があるのです。生命保険の利率というのは契約時に決定されるので、今契約した保険は、今後いくら景気が良くなっても保険料は今のままです。

でも、いくら銀行の利率が上がったとしても、毎月コンスタントに貯蓄できなかったり、家計が苦しいときに切り崩してしまってはお金は貯まりにくくなります。それなら、低い利率でも保険を使ってお金を貯めた方がよほど確実だ、ということも言えるのです。

もちろんお金への関心が高く、運用にも慣れている人なら保険よりも、他の方法で貯蓄する方が有利になるのは間違いありません。

でも、大半の人は資産運用を積極的にするほどの知識は持っていませんし、仕事や家事育児に忙しくて勉強するひまもありません。それなら、保険を使って確実に貯める、というのは少なからずメリットがあるのではないでしょうか。

今保険に入ったら損!ということはありません。メリットが薄くはなっていますが、人によってはメリットも大きいものなので、周りの意見に振り回されずに自分で判断するようにしてみましょう。

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