保険金を受け取った!このお金、どうすればいい?

親御さんが亡くなったりして、保険金を受け取った場合、その使い道に困る、という方が案外多いようです。家族であっても普段保険の話をすることは少ないですよね。

親御さんが亡くなってから、生命保険の金額を知った、というケースでは、そのお金をどう使えば良いのでしょうか?

生命保険というのは、本来は「万が一の場合、残された家族のために入っておくもの」だと言えます。ですから、子どものいる家庭のお父さんの保険は何千万円という大きな金額であることが多いですね。

でも、そうでない場合は最低限の、葬儀費用などがまかなえる程度のお金があれば良いわけですから、生命保険の金額は200~300万円程度か、もしくは貯蓄があれば生命保険は必要ありません。

ただ、年配の方の場合は、若いころに今よりも何倍も良い予定利率で、安い保険料で大きな保険に加入している方も多いです。遺族への保障などが不要であっても1000万、2000万という大きな保障を持っておられる場合もあります。

そのような、本当は必要のないほどの多額な保険金を受け取った場合は、想定外の収入に戸惑ってしまいますよね。こんな場合、そのお金をどのように使うか、ということを考えなければいけません。

実際、想定外の多額の保険金を受け取った人は、そのお金をどうしているのでしょうか?その場合に多いのが、「そのまま別の保険に預け入れる」というパターンです。

生命保険には、万が一の保障をする、というだけでなく、資産形成をする、という機能も持っています。その場合によく利用されるのが、「一時払」の商品です。

一時払終身保険、一時払養老保険、一時払年金保険、といった種類があります。これらの保険は、万が一の保障をするというよりも、今あるまとまったお金を一時払で貯蓄性の高い保険に充てて、さらに資産を増やす、という目的で利用されています。

たとえば終身保険の場合。50歳の女性が1000万円を一時払終身保険にした場合は、1280万円の保障が得られます。(ニッセイ一時払終身保険の場合)つまり、この保険に加入すれば、今度自分に万が一のことがあった場合、1000万円ではなく1280万円が家族に支払われるということです。さらに、そのお金は家族に残さなくても、自分で使うことができます。

契約してから10年後、60歳のときにこの終身保険を解約すれば、1000万円は1041万円になって戻ってきます。それを老後の資金として使うこともできる、というわけですね。これは、「解約返戻金は少しずつ増えて、いずれは支払った保険料を上回る」という性質を利用したものです。この方法を使えば資産が増やせる、というわけですね。

想定外の死亡保険金を受け取った場合、とりあえずは使いみちも無いので、このような保険商品に預けてしまう人はたくさんいます。

保険金請求の手続きの際に担当者が勧めてくることが多く、「しばらく使う予定はないし、さらにお金が増やせるのだから得だ」と思ってそのまま契約する人が多いんですね。

ただ、この選択をしたために、後悔することもあるんです。実は、このような一時払の生命保険は、元本割れのリスクがあります。

生命保険の保険料には、「付加保険料」と言って、手数料にあたる費用が含まれています。これは一時払商品に限らず、どの保険でも同じです。

一定の手数料が引かれるために、契約してすぐは、解約返戻金は支払った保険料よりも少なくなっています。上記の保険であれば、契約してから1年後の解約返戻金は980万円です。20万円も目減りしていますね。

2年目は987万円、3年目は993万円となっており、4年目にようやく1000万円にまで回復します。その後は1007万円、1013万円……と増えていくのですが、はじめの数年は元本割れしている状態です。

ですから、契約したものの、数年以内に「やっぱり現金が必要だ!」ということになれば、解約すると損をしてしまう、ということです。たとえば、家族が大きな病気にかかってしまった。治療費がかかるが貯蓄では足りない、ということも考えられます。また、マイホームを買おうという話になって、「1000万円あれば頭金として使えたのに……」ということもあります。

あまりよく考えずに言われるがままに別の保険に預ける、ということは実はリスクがあることなんですね。もちろん、まともな担当者であればこのリスクについては十分に説明しますし、その説明を受けたときに不安であれば契約せずにおくか、もしくは500万円だけを契約するということもできますよね。

「多分大丈夫だろう」と思って契約してしまうと後になって困ることもあるので、よく考えてから契約することをおすすめします。

たしかに、もともとは予定の無かった収入ですから、そのお金は手元になくても基本的には良いわけです。ただ、せっかく親御さんが残してくれたお金なのですから、有意義な使い方をしなければもったいないと思いませんか。

人は、日々の生活費を節約していたり、ローンを組むときには慎重になったりするものですが、自分の努力とは無関係の大金が手に入った場合は、その使い方を間違ってしまうことがあります。たとえば宝くじなどの高額当選者でも、数年後にはお金を使い果たしてしまった、という話もありますよね。

生命保険の保険金というのは、それまでにその人が一生懸命保険料を支払ってきたからこそ得られるお金です。1000万円単位の大きなお金だと実感がわかずに、真剣に考えられないこともあると思います。でも、大切なお金ですから、安易に別の生命保険に預けたり、また、投資などで財産を目減りさせてしまうことは極力避けた方が良いのではないでしょうか。

このような死亡保険金は、金額が大きいということと、家族を亡くして冷静な判断ができないということで、誤った使い方をしてしまうことがあります。

そのような失敗をしないためには、すぐに使いみちを決めない、というのがおすすめです。死亡保険金は、請求後はそのまま保険会社に「据置」しておくことができます。据置というのは何の保険も契約せずに、ただ銀行と同じように、お金を預かってもらう、ということです。

たとえばさきほどの話の続きで日本生命の場合、死亡保険金の据置利率は0.3%です。一般的な銀行の普通預金の金利が0.02~0.03%程度、かなり高金利が魅力のネット銀行の定期預金であっても、0.2%程度です。それを思えば保険会社に据置しておく方がお得だと言えます。据置しているお金はいつでも引き出すことができますし、安心ですよ。

そうしていったんは据置しておき、お葬式などの慌しい時期が過ぎてから、使いみちをゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。すでに自分の資産もそれなりにあって、保険金を使う予定が無いのであれば一時払の保険に預けても良いですし、他の金融商品を使っても良いでしょう。

また、老後資金として使うなら老後を見越して運用するのが良いでしょうし、「お金があるならマイホームを買いたい!」と思う人は頭金として使っても良いですよね。

死亡保険金を受け取るときというのは、たいていの人は冷静にじっくり判断することができないものです。大きな金額なのによく考えずに使いみちを決めてしまうと後から後悔することにもなりかねません。とりあえずは据置しておいて、ゆっくり使いみちを考えるのがおすすめですよ。

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