生命保険のクーリングオフ制度

「クーリングオフ」という言葉は、聞いたことがありますよね。

訪問販売などで、契約してしまったけれど、やっぱり辞めたい、という場合に、契約をなかったことにできる制度のことです。たとえば、よくあるのが高額な布団などを買わされるような悪徳商法。

突然家に営業マンがやってきて、「この布団はこんなにすごいんですよ」「ご近所でも買われた方がいますよ」などと言われて、話がうまい営業マンだったので、買ってもいいかな、と思い契約してしまった。

でも、よく考えるとどう考えても高いし、今使ってる布団を打ち直ししてもらったらまだまだ使えるし、やっぱりいらない!と思うことがあります。

このように、自分の意志で、自ら積極的に買ったのではないような契約の場合には、契約者側が一方的に契約を解除できる、というのがクーリングオフです。もちろん悪徳商法でなくても、クーリングオフが適用される契約にはいろいろあります。

普通、一度契約すれば、その契約を撤回する、というのは難しいものです。

賃貸契約でも、契約書類に「退去時のハウスクリーニング代は借主が負担する」と書かれていれば、それをあとになって「払わない!」ということはできません。(※その契約内容があまりにも常識の範囲を超えていれば無効となります)

それだけ、契約というのは大きな力を持っています。

ただ、上記の訪問販売の例のように、自分の意志で買い物に行った、というわけでなく、不意に訪問されて冷静さを失ってしまったような状況での契約に関しては、クーリングオフができるようになっているのです。

契約というのは双方の合意のもとにおこなわれるものですから、「一方的に解除できる」というクーリングオフは消費者にとってはかなりありがたいものですね。

普通は双方の合意のもとで契約を交わすものですから、クーリングオフが適用されるには、一定の条件があります。なんでもかんでもクーリングオフできてしまっては契約の意味がなくなってしまいますからね。

そこで、今回は生命保険におけるクーリングオフについてみてみましょう。

生命保険の場合も、クーリングオフが認められています。ただ、クーリングオフが認められるのは、基本的には、「自宅や職場に外交員が来て、契約してしまった場合」と言っても良いでしょう。

クーリングオフが認められない契約としては、「保険会社の窓口などに自分が出向いて契約した場合」「自分が指定した場所で契約した場合」「医師の診査を受けた場合」などです。

クーリングオフというのは「わたしはそもそも契約するつもりはなかったけど、なりゆきで契約してしまった」というようなケースに適用されるものです。そんなつもりは無かったのに契約してしまった、という場合は、冷静になってみると「失敗した」と思うこともあるからです。

ですから、もともと保険に入る意思があって、その上で契約したにも関わらず契約を辞めたいというのは「なぜ契約前にちゃんと考えなかったのですか?」ということになります。不意に訪問された場合と違って、保険会社の窓口に出向いた場合などは、ちゃんと保険の話をすることも分かっていたことですから、クーリングオフは適用されないのです。

「自分が指定した場所で契約した」という場合も同様です。

自分で場所を指定するというのは、たとえば資料請求をして、保険会社から「よければプランをお作りしますのでお会いできませんか?」というようなやりとりがあった上で、「では自宅に来てください」「では○○という喫茶店でお願いします」と、自分で場所の指定をして、約束をした上で契約したようなケースです。

これも、はじめから保険の話をすることは分かっていたことですから、クーリングオフは適用されません。

それから、医師の診査を受けた場合も、クーリングオフの対象になりません。

生命保険に加入するときには、その保険の金額や被保険者の健康状態などによっては医師の診査が必要になります。告知書で過去の病歴や現在の健康状態を記入しますが、それだけでなくお医者さんに診てもらってお墨付きをもらう、というのが「医師の診査」です。

「診査」を受けるのは当然自宅などでは無理ですから、病院へ行きます。わざわざ病院へ行くという手間もかけているのですから、この場合は「わたしは契約するつもりなんてなかった」というのはちょっと厳しいですよ、ということです。

他にも、一時払商品の場合は適用とならない場合もあります。一時払というのは保険料を一括で支払うものですから、「そんな大金を一括で支払うような契約をするのは、そんなつもりなかったというのは苦しいですよ」ということになります。それから、契約期間が1年以内の短い保険についても対象とはなりません。

また、クーリングオフはいつでもできるものではありません。生命保険の場合は、「8日以内」と決められています。

1か月ぐらい経ってから「あのときのわたしは冷静ではなかった!」と思っても、クーリングオフはできないのです。

そして、クーリングオフをする場合には、必ず「書面」での通知が必要です。

クーリングオフというのは、契約者が一方的に契約をなかったことにできる制度のことでしたね。本来は双方の合意のもとで契約するはずのものを、一方的になかったことにするなんてことはできないわけですから、このクーリングオフを行使するには、争いを避けるためにも書面という証拠の残る形で通知しなければいけないのです。

書く内容としては、

契約者氏名
契約者住所
契約日
保険の種類(証券番号も)
金額(契約時に支払った初回保険料)
担当者名
「本契約をクーリングオフします」という内容

これらのことを書いて、保険会社に送付します。

その際は確実に届けられるように、「配達証明」で送るようにしましょう。消印が8日以内であれば、届くのが8日を過ぎても大丈夫です。

ただ、書く内容に関しては保険会社によって指定されることもあるので、先に保険会社に確認するようにしましょう。その際には担当者ではなく、コールセンターに電話した方がスムーズで、気まずさもありません。

また、押印が必要な場合は必ず契約時に使用した印鑑を使ってくださいね。

このように、一定の条件のもとではクーリングオフが認められています。でも、ここまでお読みいただければわかるように、クーリングオフが適用されるのは、「もともと保険に入るつもりはなかったのに、外交員が突然訪ねてきて契約にいたってしまった」というようなケースです。

生命保険への加入を考えていて、自らアクションを起こした場合には適用されません。

また、生命保険を契約する際には、その契約がクーリングオフの対象になるかどうかの説明があります。(クーリングオフの可否や、途中解約でこうむる不利益などの重要事項に関しては、書面を渡すと同時に読み上げが義務付けられています。)

クーリングオフというのは絶大な効力を持つ一方で、適用されるのはかなり限定的な条件になっていますから、クーリングオフの対象になるのかどうかは必ず確認しておきましょう。

クーリングオフの対象にならない契約の場合は、「やっぱりやめたい!」となってみ途中解約という扱いになり、当然支払った保険料は返ってきません。生命保険というのは、長年にわたって保険料を支払い続けるものですから、実は大きな買い物です。契約する際にはしっかり内容を吟味して、あとから途中解約をしなくても済むようにしてくださいね。

もし、その場で契約するような雰囲気になってしまっても、提案されてその場ですぐ契約するのではなく、「検討してみます」と言って切り上げるのも良いでしょう。せめて一晩じっくり考えて、契約するかどうかを決めてくださいね。

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