シニア向けの生命保険で気をつけること

お昼間にテレビを見ていると、シニア向けの保険のCMが多いと思いませんか?有名なタレントの方が宣伝していて、「持病があっても入れます!」「月3,000円から!」などと宣伝しています。

普通、保険料は、歳をとると高くなります。それは、健康リスクが高くなるからです。

病気でも、若い人で入院や手術する人はそう多くはありません。まさしく「万が一」なのです。一方、高齢になってくると、「万が一」ではありません。「万に十」「万に百」のリスクがあるわけです。

生命保険というのは、支払う必要があるであろう保険金の金額に合わせて、保険料を算出しています。

死亡したら100万円、という保険があるとします。1万人中1人だけ死ぬ可能性がある、というデータがあれば、保険会社が支払う保険金は100万円です。ですから、1万人の契約者がいれば、一人100円ずつ支払えば良いのです。

でも、1万人中1000人が死ぬ、というデータがあるとしたら、保険会社が支払う保険金は10億円になります。1万人の契約者がいれば保険料は10万円になります。

こうした、何人中、何人が死ぬのか、といったデータは、統計にもとづいて理論的に計算されているものです。当然、若い人なら死ぬ確率は低く、高齢になると確率は上がっていきます。

でも、60歳や70歳でも、月々3千円程度の保険料で入れる保険が実際にあるわけです。これは、どういう仕組みになっているのでしょうか?

現在60歳ぐらいの人なら、今まで加入していた生命保険の保険料は2万円も3万円も支払っている人が多いと思います。また、今まで保険に入っていなくて、歳をとってから保険に入ろうとする人も増えてきます。

若いあいだは、生命保険のお世話になることはあまりありませんが、歳をとってくると健康診断で引っかかったり、友達が入院したりして、健康問題が身近なものになってきます。すると一気に保険が気になってくるもので、割安な保険料で入れる生命保険があると、飛びついてしまう人も多いんですね。

さて、こうしたシニア向けの割安な保険というのは、どういうものなんでしょうか?

それは、保険料が「割高」になっている、というものです。一見、数千円の割安な保険料が魅力のシニア向け保険ですが、実際には保障内容が少なかったり、保障金額が低かったり、加入してから一定期間の保障金額が下がったりと、普通の生命保険に比べるとかなり保障を削った状態になっています。

医療保険であれば、1回の入院で60日分までは保障されるのが主流ですが、シニア向けプランでは30日になっているものが多いです。また、入院日額は5千円や1万円が主流ですが、シニア向けプランでは2,500円になっていたりします。加入から1年以内に入院などすれば、保障金額がさらに半分になることもあるんですよ。

死亡保障についても、数百万円の保障がついていてすごい!と思われるかもしれませんが、実はこれは災害や事故による死亡の場合で、病気死亡なら数十万円の保障しかない、というものがあります。災害や事故で死亡する確率と言うのは低いです。

大半の方は、病気で亡くなります。確率の高いものは支払い金額を下げて、確率の低いところの金額を多くして、保障が充実しているように見せているのですね。

それから、もう一つ気をつけていただきたいことがあります。それは、払込期間です。若い人が保険に入るときはたいてい「60歳払込」などになっています。これは、終身タイプの保険でも、保険料の払い込みは60歳で終了するというもので、退職にともなって収入が減ってからは保険料の支払いがいらなくなるんです。

でも、シニア向けプランでは、「終身払い」の保険料が書かれているんですね。終身払いというのは、解約しない限りずっと保険料を支払い続けるということになります。

たとえば、月3,000円の保険料で60歳で契約したら、80歳までのあいだで72万円の保険料を支払うことになります。
1度入院したら、30日入院しても、7万5千円受け取れるだけです。保険料のもとをとるには10回以上入院しないといけません。

死亡保障についても、月3,000円程度の保険料でも、病気で死亡したときの保険金は50万円程度になります。72万円支払って、50万円受け取るメリットは何なのか、よく考えなければなりません。

そもそも、シニア層は、若い人に比べると貯蓄もあるはずです。数十万円ぐらいの出費であれば、自分で対処できる人が多いのではないでしょうか。そういう人が、わざわざ割高な保険に入るのはもったいないと思いませんか。

もし、貯蓄に不安があるなら、今からでも貯蓄しておくことをお勧めします。とりあえず保険には入っておいて、貯蓄が貯まったら解約する、というふうにすれば、保険料がムダになることもないと思います。

シニアと言われる年代になって、生命保険のことが気になりだすと、生命保険に入ることが目的になってしまい、本来の、必要な保障を得る、という目的がきちんと果たせないことになってしまいます。

また、「持病があると保険に入れない」と聞けば、持病があっても入れる保険を見つけるとそれに飛びついてしまうこともあります。

シニア向けの保険への加入を検討している場合は、メリット、デメリットをよく考えて、損のないように選ぶようにしましょうね。

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