定期保険というのは、一定期間のみを保障する保険のことです。
契約している一定期間のあいだに死亡すれば、保険金がもらえます。逆に、一定期間無事に生存していれば、保険金はもらえませんし、支払った保険料は返ってきません。つまり「掛け捨て」ということです。
ただ、定期保険のメリットというのは、保険料が終身保険とは比べ物にならないぐらいに安く、一定期間のあいだだけ、大きな保障がほしい、という人にはぴったりの保険なんです。
どれぐらい安いかと言うことを、30歳男性が3000万円、10年間の定期保険に加入した場合で見てみましょう。
月々の保険料は4,000円前後になります。10年間で支払う保険料は48万円ですね。
一方、これが終身保険であれば、同じ3000万円の保険であれば、月々の保険料は、もっとも保険料が抑えられる終身払いにしても、5万円程度になります。
終身保険の場合は、不要になった時点で解約すれば解約返戻金が戻ってくるので掛け捨てではありませんが、払込期間中に解約すると、既払い保険料の方が解約返戻金よりも高くなってしまうので、損をします。
定期保険というのは、誰かが亡くなったときに支払う保険金を、契約者みんながワリカンで支払う、という性格のものです。
1万人の人がいて、1年間に2人ぐらいが亡くなる、というデータがあるとします。(この死亡率は年齢・性別によって異なります)
この1万人がみんな保障期間が1年間、3000万円の保険に入ったとしたら、このうち2人は亡くなってしまうので、保険会社が支払う保険金は6000万円必要になる、ということですよね。
この6000万円を、みんなでワリカンした金額、6千円が、一人ひとりが支払う保険料です。
掛け捨ての保険について、「お金が返ってこないなんてイヤだ!」「ちょっとでも返ってくる保険の方がいい!」と言う方もいますが、「なにもなければお金が返ってくる」という保険はまずあり得ません。
支払った保険料が返ってくるなら、亡くなってしまった人に支払う保険料はどのように払えば良いのでしょうか?
支払った保険料は返ってこなくても、誰かの保険金として役立っています。もちろん、自分が死んでしまったら、月々数千円ずつしか支払ってなくても、何千万というお金を遺族が受け取ることができます。
と言っても、定期保険に加入していてお金が戻ってくるものもあります。2~3年ごとに「お祝い金」を受け取れるタイプのものがそうです。
2~3年おきなどのあいだに、無事に生存していればお祝い金が受け取れる、というもので、これなら、支払った保険料のうちいくらかは返ってきます。
ただし、これは、お祝い金を貯めるための分のお金が保険料に上乗せされているだけです。何もない普通の定期保険よりも、お祝い金の金額分だけ保険料はぐっと上がります。
まったくの掛け捨てではないからと言ってお祝い金がついているタイプを選ぶ方もいますが、その分保険料が高くなることは分かっておきましょう。
通常、定期保険は、一定期間の保障を厚くするために使うものですから、子どもがる方には必須の保険とも言うことができます。
子どもが生まれると、親は死ぬわけにはいきません。万が一死んでしまうと、子どもや配偶者の生活はどうするのか、教育資金はどうするのか。
遺族年金だけでは足りないものです。また、子どもが生まれたばかりの若い夫婦には、万が一のことがあったときに対応できるほどの十分な貯蓄は無いのが普通です。
そこで、100万円や200万円ではなく、何千万単位のお金が不足することになります。
定期保険なら、3000万円ほどの大きな保険でも、月々数千円で加入できます。これなら、安心料として割り切れる金額ではないでしょうか。